書簡1 (御挨拶 M.Y. >>>M.S.)こんにちは。御機嫌は如何ですか? 貴方の日本滞在が長引いていると聞き、日本のこの季節、梅雨というものが心身に与える害を知っている私はお加減でも悪いのかと心配になりました。 笑止千万とお思いになられるかも知れませんが、此処に来て 私はどうしても貴方に、ご相談せねばならぬ状況に 陥っているのです。 そして敢えてここに記す必要もないのですが、 フランツ、私は貴方にお詫びしなくてはならないと、思っています。 なのでお願いです。 どうぞ、この手紙で洟をかんで丸めてポイとか、 用足しした後、手拭きにしてごそっと破り棄てるとか、することだけは、ご勘弁下さい。 手紙を認めるにあたっては、貴方の事務所のちょっと怖いマネージャーさんに、連絡先をお聞きしました。 私の目下の心配の種である生徒や貴方の素敵なお弟子さんも所属する事務所ですから、私も彼女とは懇意にしなければならないと思っております。 電話とか、電子メールでも思いは伝えられる…… と考えましたが、どうも私は古い人間でして。 内容については、とてもデリケートな問題ですので、貴方のツヤツヤなお顔を拝顔しながらお話ししたいと思います。 そう・・・私は不思議に思うのですよ。 フランツ、 それでは、日本でお会いしましょう! |