The world where you are is richly colored


俺が目を覚ますと、其処は無彩色の加療室だった。
なんだよ、この色気のない部屋は……
囚人が収容される病棟じゃないんだから。
こう癒しってもんがないと、傷の治りだって、疫病の滅菌だって、思うようにいくわけねぇじゃないか。
ヤマイは気持ちからだ……
そうだな、この部屋の運気を上げるためにも、
ここは一発、フランソワーズにでも、マイクロミニで胸が強調された、「アニメ系ナースエンジェル』のコスプレでもして貰うか。
あの朴念仁を地球まで帰還させたんだから、それくらいして貰ってもバチはあたらネぇと・・・・
ムン うっ・・・・
何だ、こりゃ~~ こりゃ、確かに恥ずかしげもない薔薇色光線だけど、
き、傷が~~~
いや、違うところが刺激されて、ムズムズして、やってらんないぜ。
おーい、死神オジサン、おまえさんのここより素っ気ない部屋に俺を召喚してくれっ
頼む、後生だから・・・・・

病室にただよう気配は、徐々に濃厚になって……
逞しい腕は涙でグシャグシャになった、愛しい者へと迷うことなく伸ばされ、
もう、決して届かないと思った亜麻色の髪にその指をくぐらせる。
少しだけ恥ずかしそうに、だけど、黄泉の国から戻ってきた青年は
彼女の華奢な首筋を包むように、その向こうの項で手を組み、
確かな意思を持って、彼女に向かい、言葉を発した。
「見れないと思ってたよ。
君の泣き顔…… 」
「ジョー、あなた・・・・ずっと、ずっと……寝て・・・るん・・・ですも・・・・
も・・・・起きんの……止めたのかと・・・・
その方が…… あなたにとって……辛く・・・なくて良いのかと……」
「最期に思い浮かべたのは、君の綺麗な微笑みで……
だけど、この泣き顔の方が……何倍も……
嬉しいよ、僕....... 」
「ふぇ、エ~ン……、ぅぅウエ~~~っんnnn
ジョー……意地悪……
涙が勝手に・・・・笑え…ない……わ、あた・・・し・・・ 」
困ったような顔で、フワ~っと彼女を抱き寄せたジョーは言った。
その声を彼の鼓動と一緒に、胸から響く声で直接聴いた彼女はしばし、泣くのを忘れる。
「ずっと、泣かなかっただろ? フランソワーズは……
気になってて、絶対帰らなくっちゃッて思った。
君が他の奴の胸で泣くのは赦せないって思って。
それがピュンマでもジェロニモでも…… もちろん、アルベルトやジェットだったら尚更・・・」
ジョーの胸の拍動がフランソワーズの濡れた頬の下で煩いほど大きくなって・・・
そこで彼女が耳にしたのは、何気無いようでいて、彼にとっては、祈りにも誓いにも似た言葉である。
「君を僕の胸で泣かせなくっちゃって思った。
B.G.に勝手にサイボーグにされた時は捨鉢な自分で、自分から生きようなんて思いもしなくて
死んでもいいって思ってたけど、今度は違うんだ。
僕は生きて、戻って来たかったんだよ、こうする為に・・・・
機械の身体でも、何でも良かったんだ。
だから、こうして君が泣いてくれることが嬉しい 」
「!!っ
ぅううう・・・・ジョー・・・・」
背中に回った彼女の白い指・・・・・
離すまいと抱きしめる彼、ふっとその腕の締め付けが解け、ジョーが彼女の頬に手を滑らせ、仰向かせて。
二人のシルエットが唇を合わせて重なった。
後ろから、恨みがましく出刃って見ている視線に気づきもせず・・・・・

ったくよ、何なんだよ、俺の手柄への褒美はないのかよ。
ジョーも何だ、フェロモン撒き散らしやがって。
そんな、殊勝なことフランの前では口から出任せで言うなんて、タラシの権化だな、おまえ。。。
俺に、手を離せなんて言って、なんかチッとも離れるどころか、二枚貝みたいに合わさって燃えちまって
そっか、助かりたかったから、ヒッツキやがったな、ジョー、おまえ黒いな。
泣かせたかったって、どうせ、腹ん中では、夜のベッドで自分の下で啼かせたかったんだろうよ。
にしても、いいな。フランソワーズ、柔らかそうだぜ。
クッそー、ジョー。
きっと、おまえの方が癒しの天使がついてる分、俺より治りが早いに決まってる。
うううう~~~ 誰か、オンナ手当て出来ないんなら、酒持って来~~~
お粗末さまでした。
-------- おしまい --------
おお、むさしジョー様への胸板賛歌でした。そして、フランちゃんも何気にグラマラス♪
Muuちゃん 、ヴぇリーサンクスでした!!

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